2016/6/7
第7回 ミラノサローネ市街地編
こんにちは。先日イギリス南部の海沿いの街ブライトンへ行って来ました。
海よりも何よりも、ウォーリーの格好ではしゃぐお姉さま達に釘付けになった私です。
みんな本当に「楽しみ上手」ですよね。
さて、今回はミラノサローネ市街地編をお送りします!
こちらのイベントは前回の本展とは違い『Milano Design Week』と総称され、ミラノ市街地の既存の建物を使って多種多様なエキシビションやインスタレーションが行われます。
市内のイベントエリアをわかりやすく表したミラノマップ。左上のグレーの部分が前回の本展会場、黄色い部分が市内の会場がまとまっているエリアです。
私はこの中のブレラデザインディストリクト・トルトゥーナエリアを中心に回りました。
まずはこちら!オランダ発のインテリアブランド、モーイです。
今回は新製品の発表を兼ね、トルトゥーナ地区のスタジオを使い展示を行っていました。
新作のソファを天井からぶら下げています。楽しそうなイタリアンボーイ。
このブランドのコンセプトでもあるクラシックとモダンの融合があちこちで見られ、単なる高級家具とはひと味違うユニークさを楽しめました。
思いがけない充実した時間を過ごせたのがこちら、デンマークのHAYです。
道路から見える奥まった会場入口がワクワク感を煽ります…。
奥へ進むと植物がたくさん、車道から離れていることもあり静かで心地よい空間になっていました。
北欧家具好きな方には有名かと思いますが、HAYは伝統的なデンマークデザインを意識しつつも、時にポップで時に渋い現代的な要素を取り入れ、2002年の設立から急成長しているブランドです。
今回はメインの展示スペースをグラウンドレベルから数段下げ、さらにディスプレイの雰囲気によって細かく区分けする方法を取っていました。
迷路のようにあちこち進みながら自分の好きな空間を探せます。
それぞれのスペースの色使いがどれも魅力的でした。
HAYの隣で展示を行っていたのはマリメッコ。
なんと同じくフィンランドのメーカー、アルテックとコラボレーション!豪華です。
ファブリックや食器類・家具は言うまでもなく見応えがあったのですが、
使われている古いアパートメントの床や窓枠などが味のある引き立て役になっていました。
インスタレーションも少しご紹介したいと思います。
まずは建築家・田根 剛によるシチズンの『time is TIME』。
腕時計は約12万個もの部品で構成されているそうですが、それら全ての基盤となる「地板」というパーツを使ったインスタレーションです。
見る角度によっては向こう側にいる人たちの動きがまさに「時が止まった」ように見えます。
小さな地板の連続は一見ランダムなようでいて実は緻密に計算されていて、
その作業を思うと気が遠くなりました…。
そしてこちらはアパレルブランドcosと建築家・藤本壮介によるインスタレーション会場。元映画館だった建物だそうです。
cosはロンドンに来て初めて知ったスウェーデン発のブランドで、その最新コレクションにインスパイアされた『光の森』が今回のテーマです。
木々に見立てた光が明滅を繰り返しながら落とされ、四方を鏡が囲みます。
ここがかつて劇場だったことからも着想を得てスポットライトでの表現になったそうですが、その根元に座り込む人々の存在が加わることで確かに『光の森』が出現していました。
…本当はまだまだお伝えしたいのですが、長くなりましたのでこのあたりで。
長年の夢だったミラノサローネに行けたことはとても良い経験になりましたが、2日ではとても足りず…(;_;) また次の機会があることを願っています。
最後に街の印象について。
初めてのミラノは色々な意味で想像と違っていました。
同じイタリアでもローマとはまったく街並みが似ていません。
落書きが多くエリアによっては危険な印象もあり…正直な感想としてはあまり住みたいとは思わない街でした。
ですがもちろん良い所もあり、ショッピング街のガレリア・巨大な美術館のような中央駅は評判通り素晴らしかったです。
次はもう少しミラノの街の奥深さを発見できれば…と感じた旅でした。
安くて美味しかった揚げピザ、ドゥオモをバックに。